函館発の映画づくりに取り組んでいる市民映画館「シネマアイリス」(北海道函館市)が、地域文化の発展に貢献した個人や団体を顕彰するサントリー地域文化賞に選ばれた。地元出身で早世した作家、佐藤泰志の小説をオール函館ロケで制作するなど、「市民とともに」を貫く姿勢が評価された。
サントリー文化財団(大阪市)の主催で、今年で44回目。選考委員のノンフィクション作家梯久美子さんは、「忘れられた作家が映画によって蘇(よみがえ)った稀有(けう)な例で、地方文化の底力を見る思いがする」と選評を寄せた。
シネマアイリスは、代表の菅原和博さん(66)が知人らと市民に寄付を呼びかけて、1996年に開館した。60年ごろには函館市内だけで25館ほどあったという映画館が次々と閉館するなか、「ミニシアターの灯を消すまい」と立ち上げた。映画好きの市民ボランティアら「素人」の協力を借りつつ、小さな映画館を育ててきた。
良質な映画作品の上映に加え…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル