刀剣ブームに沸く足利市に、貴重な日本刀など19点が地元の篤志家から寄贈されることが27日、関係者への取材で分かった。“刀剣女子”に人気の刀工、大和守(やまとのかみ)安定、加州(かしゅう)清光、源清麿(きよまろ)らの作品が含まれており、今後注目を浴びそうだ。市は来年にも一部公開を検討している。
寄贈されるのは室町時代から江戸時代末期頃までの日本刀18本と、蒔絵(まきえ)の施された太刀の拵(こしらえ)1点。篤志家は「地域活性化のために活用してほしい」と寄贈を申し出たという。
安定と清光の手掛けた刀は新撰組の沖田総司が愛用したとされ、刀剣ブームの火付け役となったオンラインゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」で擬人化され、刀剣女子に人気が高い。今回の2本とも昨年2月、史跡足利学校(同市昌平町)で展示され、全国から1万5千人のファンが訪れた。
清麿の作品は脇差(約40センチ)で、本名の山浦環(たまき)から「環」の銘が刻まれている。清麿の若い頃の傑作とされ、県文化財指定。清麿は江戸後期の優れた刀工で、新撰組局長の近藤勇の愛刀は刀工・虎徹(こてつ)の作とされているが、清麿の刀に虎徹の銘を刻んだとする説もある。
寄贈品にはそのほか「長船与三左衛門尉祐定(おさふねよざえもんのじょうすけさだ)」、「助広(すけひろ)」、「兼定」、「備前介宗次(びぜんのすけむねつぐ)」などの銘の刻まれた刀が含まれている。鑑定した足利郷土刀研究会代表の田部井勇さん(84)は「名刀が多く、特に清麿の脇差は非常に貴重ではないか」と話している。
同市は一昨年春、堀川国広の名刀、山姥切(やまんばぎり)国広(国重要文化材)を展示し、国内外から刀剣女子ら約4万人が訪れた。以来、地域活性化策として「刀剣ファンから足利ファンに」を合言葉に官民協力で毎年、刀剣展を開くなど、力を入れている。
和泉聡市長は「県指定文化財を含む貴重な刀剣の寄贈の申し入れを頂き、ありがたい。寄贈者の意向を踏まえ、市の活性化のために活用したい」と話した。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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