太地の漁師たちがクジラやイルカの群れを追い込むのは、漁港から1キロほど北にある畠尻湾だ。
湾は入り口の幅が100メートル、奥行きは200メートルほど。切り立った崖に囲まれている。
群れを追い込んだ12隻の船は、湾にさしかかるころには4隻になっている。のこりの漁師たちは一足先に漁港に帰って、カッパのつなぎやウェットスーツに着替えて船外機つきのボートで戻ってきている。
クジラやイルカの群れが畠尻湾に入ったら、ボートの漁師が海に網を下ろし、湾の入り口をふさいでいく。
湾のなかほどに、湾へ突きでた崖がある。
崖の裏側にある小さな入り江を「景浦(かげうら)」と呼ぶ。岸からは死角になっている。漁師たちは群れを景浦へ追いたてながら、網をせばめていく。
漁師たちが群れを追い込んでくるとき、上空をドローンが飛ぶ。
漁に反対する人たちが漁の様子を撮影している。畠尻湾へ追い込んだあとはドローンを引きあげ、近くの高台からライブ配信を始める。
反対派が狙うのは、漁師たちがなまなましく「命」と接するところ。
漁師たちは、それが自分たち…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル