刑事だった自分が「駐在さん」に 島民の安全を1人で守り続けた日々

 島の安全を1人で守ってきた「駐在さん」が、3月いっぱいで刑事に戻る。

 朝は小中学校の前で登校を見守り、昼間は赤いランプを点灯させたパトカーで巡回。夜も何かが起きた時に備え、お酒は少なめに。

 そんな毎日を繰り返してきた。

 瀬戸内海に浮かぶ豊島(香川県土庄町)は、面積約14・5平方キロに760人ほどが暮らす。瀬戸内国際芸術祭の会場の一つで、2022年は約10万人が来島した。

 三谷富貴巡査部長(34)は、その年の4月から豊島駐在所に勤務している。

 さぬき市出身。小学校に入る前、交通事故に遭った。その時に優しく対応してくれた警察官が印象に残り、憧れの職業になった。

 大学を出て、警察官の採用試験に合格した。13年に県警に入り、交番勤務を経て特殊詐欺などの知能犯捜査を長く担当してきた。

 刑事だった自分が、島に駐在するとは思ってもいなかった。豊島を訪れたことはなく、「どんな土地かもよく分からないけど、人事だし、行くしかない」と、妻と2人で島に引っ越してきた。

島で起きること、全て自分の仕事

 隣の小豆島にある小豆警察署の地域課に所属しているが、島の警察官は1人だけ。落とし物の処理も、交通事故の対応も、島で起きることは全て自分の仕事だ。

豊島の「駐在さん」となった三谷さん。学校前で毎朝あいさつを続けたら小学生が教えてくれた内緒話、瀬戸芸期間中の奮闘など、島で過ごした2年間を紹介します。

 「すごいプレッシャーはあり…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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