刑事事件の弁護に必要な証拠資料の開示が紙のコピーに限られるのは負担が大きく裁判準備に支障があるとして、弁護士や学者でつくる「証拠開示のデジタル化を実現する会」が、電子データで開示するよう求める要望書をデジタル政策を担う河野太郎行政改革相や上川陽子法相らに送った。昨年11月に署名を呼びかけ、12日までに約1万3千人の賛同を得たという。
捜査報告書など証拠書類は現在、すべて紙のコピーで開示され、コピー代に600万円以上かかった事例もある。国選弁護人が担当する事件だとコピー代の多くが税金で賄われ、私選弁護人が扱う事件は被告の自腹。同会は要望書で「税金の無駄」「経済的理由で証拠入手をあきらめさせ、被告人の防御を困難にしている」と指摘し、「電子データを入れた記録媒体を渡す方法にすれば全て解決する」と改革を求めた。
同会の調査によると、米英や台湾、シンガポールなどでは、電子データを保存したフォルダーへのアクセス権を弁護側に与えたり記録媒体で渡したりするデジタル化が進んでいる。(阿部峻介)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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