かつて過剰収容が問題となっていた全国の刑務所や拘置所で、収容者が減り続けている。昨年末には収容率が6割を切った。国は施設の統廃合を進めたい考えだが、収容者が再び増える可能性も否定できず、頭を悩ませている。
山口県美祢市の「美祢社会復帰促進センター」。28万平方メートルの敷地を囲んでいるのは、高いコンクリート塀ではない。外の景色も見える白い多重フェンスだ。
センターは2007年4月、刑務所の過剰収容や刑務官の過度な負担を解消するため、国内初の官民協働刑務所として開設された。国と大手警備会社などでつくる運営会社が、施設の建設や警備、監視、職業訓練までを担っている。
収容棟はすべて「一人部屋」。室内にはテレビが置かれ、窓に鉄格子はない。受刑者は、位置情報を知らせる無線タグを身につけて一人で移動できる。開設当初はその快適さが話題になったほど。ところが、収容棟には名札のない居室が並ぶ。今年3月に取材した女性収容棟は、埋まっていたのは50室のうち20室だけだった。
法務省によると、センターの収…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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