横浜市交通局は13日、市営地下鉄ブルーラインで6月と8月に相次いだ事故の影響で運行可能な列車が不足し、朝夕のラッシュ時間帯の運行本数を減らすと明らかにした。ダイヤ改正は数カ月後になる見通し。同日開かれた市会水道・交通委員会で市側が報告した。
同局によると、ブルーラインとして保有する38編成のうち、2回の事故で2編成が運行不能になった。現在は朝夕のラッシュ時に最大34編成で運行。定期検査や設備更新に残り2編成を充てるため、車両故障などに対応する予備列車の確保が困難になった。新しい列車の導入は2年後となるため、ダイヤ改正により最大33編成に減らし、当面の予備列車を確保する。
城博俊局長は「ラッシュ時は現在4分20秒間隔で運行しているが、33編成では4分30秒間隔になる」と説明。輸送力が3%減少することで、同局は、車内の混雑率がさらに高まるなどの影響を見込んでいる。
一方、8月29日に踊場駅構内(同市泉区)の引き込み線で回送列車がオーバーランした衝突事故は、列車が時速23キロで停止位置を越えて進入し、約30メートル前方の壁面に衝突したと説明。城局長は「時速25キロ程度出ていたと想定するとブレーキで止めるには41メートルが必要。(停止位置を越えると)壁への衝突が避けられなかった」と述べ、湘南台駅やあざみ野駅の線路終端部と同じく自動列車停止装置を導入する考えを示した。引き込み線での運転は当面、乗務員室に保安要員を添乗する。
同局は当初、男性運転士(42)の居眠りを原因に挙げたが、複雑な運転操作を繰り返すため居眠りをするとは考えにくい状況下にあり、衝突に至る最後の操作から非常ブレーキを掛けるまでの時間も短いとして、城局長は「居眠りが最終的な原因と確定したわけでない」と強調。さらに詳しく調べるとともに勤務体系の見直しを段階的に進めるとした。
6月6日には、線路上に放置された「横取り装置」に列車が乗り上げた脱線事故が発生。平原敏英副市長は「お恥ずかしい気持ちでいっぱいで、本当に申し訳ない。市民の命を乗せて動いていることを改めて心にとどめ、日々の業務に当たる必要がある」と謝罪した。
神奈川新聞社
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