初優勝のスタジアムに響く神戸讃歌 傷ついた市民と歩んだヴィッセル

 サッカー・J1リーグのヴィッセル神戸が25日、本拠地ノエビアスタジアム神戸(神戸市)で名古屋グランパスを破り、チーム創設から29年目で初優勝を決めた。

 試合を終えた選手たちは、チームカラーのクリムゾンレッド(えんじ色)で染まるスタンドに向かって、肩を組んで並んだ。

 スタンドには、「あの日の希望。今ここに輝く!」と手書きされた横断幕。

 歓喜に沸くサポーターは、互いに肩を組んで、体を左右に揺らして、歌い始めた。

 チームと、この街への応援歌を。

 〈俺達のこの街に お前が生まれたあの日〉

 〈どんなことがあっても 忘れはしない〉

 〈共に傷つき 共に立ち上がり〉

 〈これからもずっと 歩んでゆこう〉

 〈美しき港町 俺達は守りたい〉

 〈命ある限り 神戸を愛したい〉

 「神戸讃歌(さんか)」。チームが低迷していた2005年、サポーターの間で生まれた応援歌だ。フランスの歌手・エディット・ピアフの名曲「愛の讃歌」に、オリジナルの歌詞を乗せた。

 現地で応援した神戸市灘区の市職員、新明(しんめい)正也さん(54)は言う。

 「震災で傷ついた神戸市民とチームの一体感が生まれる歌。サポーターと共に立ち上がり、一緒に歩んできたチームですから」

 1990年代前半、神戸にプ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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