千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(当時10)が虐待死したとされる事件で、傷害致死や暴行、強要など六つの罪に問われた父親の勇一郎被告(42)の裁判員裁判が21日、千葉地裁で始まった。勇一郎被告は「娘を飢餓状態にしたり、強度のストレスを与えて衰弱させたりすることも構わないと考えたことは一度もない」と起訴内容を一部否認した。
起訴状によると、勇一郎被告は2018年12月30日~19年1月3日ごろ、自宅で心愛さんの両腕をつかんで引きずり、体を引っ張り上げた後に、腕を離して床に打ちつけるなど暴行。顔の打撲や胸の骨を折るけがを負わせたとされる。1月5日ごろには「立てよ。行けよ」と怖がらせ、首を振って嫌がる心愛さんを引っ張って、浴室や脱衣所に長時間立たせ続けたという。
1月22~24日には食事を与えないまま長時間立たせ続け、十分な睡眠をとらせなかったとされる。24日午後1時ごろは浴室で「5秒以内に服を脱げ。5、4、3、2、1」と言って冷たい水を繰り返し浴びせたという。
夜には寝室に入ろうとすると「なんでいるの。ちょっと来い」と言って、浴室で冷水を浴びせ続けるなど暴行。飢えや強いストレスを与え、ショックもしくは致死性不整脈、溺水(できすい)で死亡させたとされる。
捜査関係者によると、勇一郎被告は取り調べに対して、当初は「しつけだった」と述べ、その後「覚えていない」と話すようになったという。
心愛さんの母親(33)は、虐待を制止しなかったなどとして傷害幇助(ほうじょ)罪に問われた。昨年6月にあった千葉地裁の判決で、懲役2年6カ月保護観察付き執行猶予5年を言い渡され、刑が確定している。
公判は3月9日の結審までに計10回開かれる。証人尋問は延べ11人が予定され、4~6日は被告人質問がある。19日に判決が言い渡される見通しだ。(今泉奏、松本江里加)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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