磯部征紀、小川崇 武田啓亮、江戸川夏樹
北海道・知床半島沖で乗客・乗員計26人が乗った観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故をめぐり、安全を確保するための国のチェック体制や制度の「穴」が次々と浮き彫りになりました。国の対応のどこに問題があり、この事故の教訓をどういかしていくのか。23日で事故発生から1カ月となるのを前に、問題の経緯や、今後の制度見直しのポイントをまとめました。
「事業者へのさらなる確認や指導が十分にできていなかったと認識している。真摯(しんし)に受け止め、監査方法の改善をはかっていく」
18日の衆院国土交通委員会。斉藤鉄夫国交相は、カズワンの運航会社「知床遊覧船」に対する国のチェックの甘さを認めた。安全対策をめぐって野党議員から繰り返し「国の確認がずさんだった」と追及されたためで、何度も「改善をはかる」との答弁に追われた。
事故があったのは、4月23日。その1年近く前の昨年5~6月、カズワンは2度の事故を起こし、国は特別監査を行っていた。運航管理者と常時連絡を取れるようにすることなど10項目を指導。同年10月には抜き打ち確認も実施した。改善確認のチェック表の判定欄には「○」が並び、確認が済んだことになっていた。
風速・波高15日間すべて同じ数値 そのままにした国
しかし、この抜き打ち確認か…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル