秋の彼岸を迎え、美しくも妖しげな雰囲気を醸し出す彼岸花が咲き始めています。 そんな彼岸花には意外と知らない秘密があるようです。
葉は冬に生い茂る?
真っ赤に咲いた彼岸花をよく見てみると、茎には一枚も葉がついていません。 彼岸花って葉が無い植物なの? いえいえ、彼岸花は秋に美しい花を咲かせた後、細長い葉が出てきます。寒い冬も葉は元気に生い茂り、春までしっかりと光合成を行います。しかし、他の植物が青々と生い茂る初夏の頃、彼岸花の葉は枯れてしまうのです。夏の休眠期間を経て、9月の上中旬頃に花の芽が出ると一気に茎が伸び、秋のお彼岸の頃開花に至ります。 つまり、彼岸花は多くの花とサイクルが逆ということになります。 また、葉と花が別々の時期に展開することから、ハミズハナミズと呼ばれることもあるそうです。
種子ができない?
日本の彼岸花の多くは、種子ができないと言われています。じゃあどうやって増えているんだ?と疑問に思いますよね。
実は球根を増やすことで繁殖しているんです。毎年のように増えると、段々と窮屈になり地表にせりだすことも。
人が気づいて植え替えてくれたり、土手の場合であれば、増水した時に流されたりすることで、新たな場所に移動するそうです。
畦道に咲くのはなぜ?
彼岸花は、川の近くや畦道に咲いているのをよく見かけますが、これにはいくつかの理由があるそうです。
・彼岸花の根が土手や畔の土を固めてくれるため
・彼岸花の毒によって、田んぼを荒らすネズミやモグラ・虫などの被害を防ぐため 昔の人の知恵で植えられた彼岸花ですが、これまでその風景が守られているということは、金色の稲穂を背景に咲く真っ赤な彼岸花の風景を愛おしむ心が、受け継がれてきたのでしょうね。
ウェザーニュース
Source : 国内 – Yahoo!ニュース