「元気でいこう」。新型コロナウイルスの影響で観光客が激減する大分県別府市のJR別府駅に、そんなタイトルの利用者へのメッセージが掲げられている。地元出身の駅長や約20人の駅員らが話し合い、「それでも別府を選んでくれた人たちに、感謝の思いを伝えよう」と言葉を紡いだ。地域の人たちも「気持ちを代弁してくれた」と喜んでいる。
甲斐裕明駅長(56)によると、別府駅の利用者は2月中旬から徐々に減り、3月に入ると一気に例年の半分にまで落ち込んだ。「どーん、あちゃー、という感じ」。外国人観光客の減少が大きかったという。「厳しいね」「この先どうなるのか」。駅周辺の店の人たちからは、不安ばかりが聞こえてきた。
ただ、3月の2週目になると若いグループ客を見かけるようになった。聞いてみると、卒業旅行で海外に行くはずだった予定を変更して来ていると分かった。このことを朝礼で駅員たちに伝えると、「こんな状況でも別府を選んでくれた観光客にも、ふだんの利用者にも、この機会に感謝を伝えよう」という声が出た。
メッセージは12日から掲示。駅や街が次第に元気をなくしていることに触れ、「せめて『私達だけは!』」と、元気のいい接客を心がけていることなどをつづった。地域の人からは、「自分たちの思いを出してくれてありがとう」「一緒に元気を出していこう」と声をかけられるという。
甲斐駅長も別府市出身。「長いこと別府に住み、観光客が来ることを漫然と見ていなかったか。こういうことがあり、改めてありがたみを感じています」と話している。
メッセージ全文は次の通り(原…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル