インターネット衣料品通販大手ZOZO(ゾゾ)は12日、ヤフーの株式公開買い付け(TOB)に応じて傘下に入ると発表、東京都内で共同会見を開いた。
同日、ZOZO社長を辞任した創業者の前澤友作氏(43)は、23年に予定する月旅行に加え、もう1つの宇宙旅行計画があり、トレーニングなどの準備と新事業の立ち上げが辞任の理由だと明らかにした。一方で1998年の創業から21年で、安定した経営への転換を図りたい中、自らがワンマン、トップダウンで進めた経営の限界もあったと認めた。
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前澤氏は、1998年5月に創業した際に自ら名付け、18年10月まで使っていた社名「スタートトゥデイ」を意識した英語「Let’s Start Today」と書かれた白いTシャツ姿で、会見に登場した。ヤフーが約4000億円を投じ、ZOZOの50・1%の株を取得して成立する運びとなった資本業務提携が決まり、「お互いの強いところを伸ばせる結婚のような提携ではないかと。独身の僕が偉そうに…」と独特の言いまわしで喜んだ。
辞任の大きな理由は「新たな道へ進むこと」だった。具体的には、米宇宙ベンチャー「スペースX」が23年に予定する月周回飛行を契約し、民間人として初の月旅行者となることに加え、「もう1つの宇宙旅行」のため、トレーニングの時間が必要だと明言。「もう1つ」の行き先については「もう少ししたら話します。(月より)もうちょい近場。英語、ロシア語を学び、宇宙飛行士にご教示いただくのが新しい道」と語った。
もう1点、新規事業の開拓も掲げた。前澤氏は93年にインディーズバンド「Switch Style」を結成し、ドラムを担当する傍ら、95年に輸入レコードとCDの販売を開始した。当時、実家の6畳の自室で両親に半ば、疎まれながら始めたが「あの時の感動を…と、もう1度、事業を作って創業したい」と語った。
一方で21年間、創業者として走り続ける中で、「現場に権限を与えられないこともあった。経営の考え方を抜本的に変えるタイミング」とも語った。辞任を考えた時期に関しては、記憶が不明瞭だとして明言を避けた。ただ、ゴルフやカラオケをともにする友人でもあるヤフーの親会社、ソフトバンクグループの孫正義会長(63)は「新しい人生を、もう1度」と前澤氏が相談を持ち掛けたことがきっかけだったと明かした。
実際に辞任を決めたのは9月に入ってからだという。「続投をリクエストされましたが、直感、野生のカンから、変に居座ってもいいことはないと。急きょ、辞任することになりました」と語った。「社員は家族と思っていた」と涙する場面もあった。それでも「体が持つ限り、世界平和というビジョンは崩さず、いかがわしくロックな魂を持ってやっていきたい」と前を向いた。【村上幸将】
◆前澤友作(まえざわ・ゆうさく)1975年(昭50)11月22日、千葉県生まれ。93年早実高在学中にバンド結成。活動の傍ら98年にスタートトゥデイを設立。07年マザーズ、12年東証1部に上場。今年米誌フォーブスは資産19億ドル(2090億円、日本人22位)と推定。17年米国人画家ジャン・ミシェル・バスキアの作品を100億円以上で落札。今年1月ツイッターでの総額1億円の「お年玉キャンペーン」も話題に。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース