大分県竹田市の県立竹田高校で2009年、剣道部の練習中に工藤剣太さん(当時17)が熱中症で亡くなったことをめぐる民事裁判の記録を大分地裁が廃棄していた問題で、最高裁が13日、両親に経緯を説明し、謝罪した。父の英士(ひでし)さん(58)は取材に「誠意は伝わった。私は納得している」と述べた。
この裁判の記録は、期限後も保存する「特別保存」に指定されていたが、地裁が廃棄していた。最高裁が5月に公表した報告書によると、担当者が記録の表紙に特別保存であることを示す記載をせず、システム上も誤った処理をしたため、特別保存の記録だとわからずに廃棄された。
この日、最高裁であった説明には、最高裁と大分地裁から4人が出席。裁判所側から両親に「誤って記録を廃棄し、心労をおかけして申し訳ない」と謝罪があり、可能な限り記録の復元をして、国立公文書館での保管を目指すと説明されたという。
説明を受けて、母の奈美さん(54)は「復元の方針を聞けてひとまず安心した」。英士さんは「記録を復元して、子どもが部活動で亡くなることがないように生かしてほしい」と話した。
昨年10月以降、全国の裁判所で重大事件の記録が捨てられていたことが表面化する中で、今回の廃棄も発覚。大分地裁では、このほかにも5件の特別保存の記録が廃棄されていた。(遠藤隆史)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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