高齢運転者による事故が後を絶たないなか、俳優で歌手の加山雄三さん(82)は16日、自動車の運転免許証を自主的に返納したことを明かした。21日から始まる秋の全国交通安全運動を前に、東京都千代田区で開かれた警視庁のイベントで、「安全のためにも返納が一番。自分の運転を過信しないで」と訴えた。
加山さんは趣味のテレビゲームを通じて反射神経の衰えを実感し、「運転が怖くなった」と言う。4月に返納した後は、身分証として使える運転経歴証明書をタクシーで示し、料金の割引を受けていることを紹介した。こうした割引などの取り組みは各地で進むが、公共交通機関の整備といった返納後の移動手段の確保については地方を中心に課題もある。
警察庁のまとめでは、昨年1年間に返納したのは全国で約42万人。5年間で倍増し、9割超が65歳以上だった。警視庁によると、東京都内では4月に池袋で高齢男性の車が暴走して12人が死傷する事故が起きた後、返納する人が急増。今月9日で昨年1年間を上回り、約4万2千人に上る。(稲垣千駿)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル