加藤死刑囚が後悔する社会になれたか 中島岳志・東工大教授の問い

 秋葉原事件が社会に問いかけたものは何だったのか。中島岳志東京工業大教授(政治学)は、一審公判のほとんどを傍聴し、加藤智大死刑囚の友人や職場の同僚などにも取材して「秋葉原事件―加藤智大の軌跡」を著した。死刑執行を受けて、話を聞いた。

 安倍晋三元首相の殺害事件があったばかりのタイミングでの執行に驚いた。僕は二つの事件はつながっていると考えているからだ。

 彼の歩みをたどり、彼の友人もよく知っている。その彼が命を落としたのだと思うと、やりきれない気持ちもある。

 何度か面会を申し込んだが、会えないままこの日を迎えてしまった。

 どの事件もそうだが、ひとつの原因に還元するのは難しい。

 今回の事件では、母親の育児が厳しすぎて、加藤君は「嫌だ」という意思を、態度や行動で伝えるようになった。

 居場所だったネット掲示板でなりすましが現れ、管理人が適切に対応してくれず、それが嫌だと示すのに事件を起こした。これが彼のストーリーだった。

秋葉原事件からつながっている

 だが親の教育に行き過ぎがあ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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