新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府が要請した小中高校や特別支援学校などの一斉休校が2日始まった。前例のない突然の長期休暇。働く親は子どもの受け入れ場所を必死に探し、学童保育施設や学校も対応に追われた。
東京都足立区立の複合施設「千住あずま住区センター」では2日午前、小学1~3年の25人ほどの児童がドリルをしたり、本を読んだりしていた。計算ドリルを解いていた3年の男の子(8)は「いきなり休みでびっくりした。(学校の授業では)習っていないところもあったので自分で勉強している。お母さんがお弁当を作ってがんばっているので、自分も宿題をがんばります」と話した。
1年の娘を預けた女性(38)は「1人で留守番させることはできないので、預けられるのはありがたい。給食がなくなり、お弁当なので大変ですが」。
足立区では2日から区立小中学校が休校に。保護者が働いている子どものため、区内48の住区センターにある学童保育施設を開けた。感染拡大を防ぐため、センター内の高齢者交流施設は閉鎖。学童の職員が足りなくなった場合は、センターの職員が学童の支援に入れるよう態勢を整えた。
千住あずま住区センターでは学童に来る前に検温結果を連絡帳に書き込んでもらうようにした。職員の女性(51)は、密集して話したり遊んだりして感染が広がらないよう配慮する。「1人がかかったらみんなかかってしまう。それだけは避けたい」
区住区推進課の北沢恵子主査は「仕事に行っても元気な子どもを連れて帰れるようにする。保護者が安心して預けられるようにしたい」と話す。
同じく2日から休校となった東京都小金井市。9カ所の学童保育所の子どもたちについては、午前8時半から11時半まで小学校で受け入れることにした。教室で自習したり図書室で読書したりし、教員らが対応にあたる。感染を防ぐために、多数の教室に少人数ずつ分散させて過ごさせる方針だ。11時半以降は学童に移り、持参した弁当を食べ、夕方まで過ごす。
市立小金井第一小学校では、この日朝、小雨のなか1年から3年の子どもたちが登校した。出勤前に同行する親らの姿も見られた。
1年と3年の娘を校門まで連れてきた30代の父親は「政府の休校要請はあまりに急で慌てたが、学校が受け入れてくれて本当に助かった」と話し、足早に最寄り駅へ向かった。1年の長男(7)を送りに来た会社員男性(42)は「妻と共働きなので、学校が受け入れてくれなければ休職しないと絶対無理でした」とほっとした様子だった。
登校日となった学校でも保護者…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル