埼玉県警の留置場で2018年、勾留中のベトナム国籍の男性(当時57)が死亡したのは県警と病院の対応に問題があったからだとして、遺族が県と病院を相手に損害賠償を求めた訴訟は23日、さいたま地裁で和解が成立した。県が「裁判の長期化で遺族の早期救済に支障が出る」などとして和解金800万円を、病院は200万円を、それぞれ支払うことになった。
訴状などによると、男性は18年1月に強制わいせつ容疑で逮捕された。同罪で起訴された後、武南署(埼玉県川口市)に勾留されていた同年7月ごろから身体の痛みや食欲低下を訴え、川口工業総合病院(同)で複数回、診察や薬の処方を受けた。肺動脈の血流が悪くなる「肺高血圧症」と診断されたが、入院はしなかった。同年9月13日に容体が急変。9月15日に別の病院に救急搬送され、死亡した。死因は「うっ血性心不全」だった。
遺族は、病院が入院などの適切な措置をとらず、警察についても、9月13日に弁護士が接見が難しいほど体調が悪いとして診察を求めたのに応じなかったなどと主張。計約5900万円の損害賠償を求め、19年8月に提訴した。
県側は裁判で「亡くなる当日…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル