農業は天候に左右されやすく、気候変動は農家にとって切実な悩みだ。猛暑や長雨といった異常気象が農作物の出来に響く一方で、温暖化に適応しようと、新たな農作物の栽培を模索する動きもある。
農林水産省の「地球温暖化影響調査レポート」によると、国内の年平均気温は100年に1・26度の割合で上昇している。2020年は平年値を0・65度上回り、統計のある1898年以降で最も高くなった。
レポートは「農業は気候変動の影響を受けやすく、近年、温暖化による農産物の生育障害や品質低下等の影響が顕在化している」と分析する。例えば水稲は、出穂期以降の高温が影響し、白く濁る白未熟粒の発生が相次ぐ。品質や収量の低下につながり、2020年に報告のあった都道府県は33自治体に上った。
りんごは高温による着色不良・着色遅延が10自治体であった。温州みかんは、皮が果肉から離れる「浮皮(うきかわ)」や果皮の「日焼け」がそれぞれ9自治体あった。
小麦や米からピノ・ノワール栽培へ
こうした温暖化の中で、農家は適応を始めている。
北海道では、温暖化でワイン…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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