北の果てに「宇宙港」 過疎の町はロケットに賭けた 再生の推進力に

 ロケットの発射場「宇宙港」をつくる計画が各地で進んでいる。北海道大樹町では、宇宙港の本格的な建設が始まった。人工衛星を打ち上げるためにロケットへの引き合いは世界的に高まっている。地元では、宇宙ビジネスを活性化の推進力とする計画だ。

 北海道の南東部、太平洋に面した大樹町で9月、ロケットの発射場をつくる工事が始まった。2023年度中に完成した後は、宇宙港「北海道スペースポート」として、民間企業の人工衛星を宇宙に運ぶロケットなどを打ち上げる。

 隣の敷地には、すでに使われている小型の発射場がある。19年に国内で初めて民間ロケットを高度100キロの宇宙に打ち上げるなど、すでに3機のロケットを宇宙空間に飛ばしてきた。これまで打ち上げたロケットは超小型で、人工衛星を運ぶタイプではなかった。新たな発射場が完成すれば、宇宙港として本格的な運用に乗り出す。

 運営は、町が出資する企業「スペースコタン」が担う。航空業界出身の小田切義憲社長(59)は「宇宙港を核に産業が広がれば、人口や雇用が増え、元気な北海道をつくれる」と語る。

 「十勝晴れ」と呼ばれる晴天が多いことや、海に面していることを生かし、大樹町は1985年から「宇宙のまちづくり」を掲げてきた。今回の発射場や関連設備の工事にかかる総額23億2千万円のうち半分は地方創生を目的とした国の交付金を充て、残りは企業版ふるさと納税の寄付金でまかなう。

 新たな発射場で最初に打ち上…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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