北アルプス救助20年の警部が指導官に 肌身で感じた山の魅力と恐怖

 北アルプスで約20年にわたり遭難者を救助してきた岐阜県警の陶山慎二朗警部(47)が、警察庁の「広域技能指導官」に指定された。山岳救助の分野では県警で2人目、現役ではただ一人。「経験を伝えることで多くの遭難者を迅速で安全に救助し、救助者の事故も防ぎたい」と意気込む。

 広域技能指導官は、卓越した技能や知識を持つスペシャリストとして警察庁が指定する。スリ捜査、犯罪収益対策、鑑識活動、護身術指導、犯罪被害者支援など分野は多岐にわたる。全国の警察官・職員を対象に指導する。

 陶山さんは大阪府出身。大学時代はワンゲル部で全国の山を歩き、「人の役に立ちたい」と山岳救助を志した。2001年に県警に入り、北アルプスのふもとの神岡署(現・飛驒署)、高山署などで山岳警備隊員として活動した。

 出動した現場は約500件。13年からは、登山指導者を養成する国立登山研修所(富山県)の講師も務め、自衛隊員消防隊員らを指導してきた。現在は可児署に勤め、救助活動への助言を続ける。

心に残る遺族からの手紙

 通常、遭難発生の一報が入る…

この記事は有料記事です。残り1045文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment