安倍晋三首相は23日、「即位礼正殿の儀」にあわせて来日中の中国の王岐山国家副主席と東京・元赤坂の迎賓館で会談し、来春の習近平国家主席の国賓としての来日に向けて協力していくことを確認した。首相は9月に北海道大の40代の男性教授が中国当局に拘束されたことを念頭に、邦人拘束事案への前向きな対応を強く求めた。
首相は「逃亡犯条例」改正をめぐる混乱から当局への抗議活動が続く香港情勢も取り上げ「大変憂慮している」と伝えた。6月の習氏との会談では「引き続き『一国二制度』の下、自由で開かれた香港が繁栄していくことの重要性」を指摘するにとどめていたが、今回は表現を強めた形だ。
首相は、東京電力福島第1原発事故後も続く中国による日本産食品の輸入規制についても早期解除を改めて要請した。北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決に向けても中国の理解と支持を重ねて求めた。
日中関係は昨年、首脳間の相互訪問が再開し、6月には習氏が国家主席として初来日した。政府は「完全に正常な軌道に戻った」(首相)としている。
首相は25日までに約50カ国の海外要人と会談する予定だが、大半の会談時間が10~15分程度である中、王氏とは約20分間かけて意見交換するなど中国を重視している姿勢を示した。
しかし、中国が領有権を主張する尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺では中国公船が領海侵入を繰り返している。23日も領海外側にある接続水域で中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁が確認した。首相は会談で尖閣周辺を含む東シナ海での活動の自制を重ねて求めたが、中国側に応じる気配はない。今後も中国公船の活動や不透明な邦人拘束が続けば、習氏を国賓として招くことに反対論が強まりかねない。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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