大阪市北区で17日に起き、多数の人が死亡したビル火災。現場の堂島北ビルは飲食店が集まる北新地の一角にあり、大阪市内を南北に貫く四つ橋筋に面している。登記情報などによると、1970年7月に完成し、2002年2月から京都市の企業が所有している。
鉄筋コンクリート造り8階建てで、広さは1~6階が約90平方メートル、7、8階は約10平方メートル。1~6階に服飾店や英会話教室、エステ店などのテナントが入り、7階は倉庫、8階が機械室になっているという。
出火元とみられる4階は「西梅田こころとからだのクリニック」が入っている。市保健所によると、15年9月に開設した。クリニックのホームページによると、診療科目は心療内科や精神科など。ビジネス街に近いことから仕事帰りの人が通院しやすいよう、午後10時まで診療していたという。
この春から通院していた大阪市の会社員女性(26)は「同じ医院に通っていた方たちが被害に遭ったと思うと……。なんとか助かってほしい」と話した。
毎回の診療時間は5~10分ほどで、医師は女性の症状について「『会社に説明し、周りの理解を得るのも手ですよ』と助言してくれた」。薬の依存性も丁寧に説明し、通いやすい医院だと思っていたという。
この日夜、女性は診断書を受け取るためにクリニックへ行く予定だった。エレベーターは2~3人でいっぱいになるぐらいの狭さで、「何かが起きたらどうするのだろう」と母親と話したことがあったという。
別の会社員女性(50)は約4年前から通院する。院内には医師とカウンセラー、受付スタッフら5人ほどが勤務していた。患者は40~50代の男性が多く、多い時は15人ぐらいが診療を待っていた。出入り口は2カ所あった。院内でトラブルを見たことはなかったという。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル