北方領土返還求め元島民大会 平均86歳「成果見える交渉を」

 「北方領土の日」の7日、根室市では北方領土に隣接する1市4町主催で返還を求める住民大会が市総合文化会館で開かれた。コロナ禍により、昨年に続いて参加者は行政関係者らに限り、大会の模様をオンラインで流す形を取った。

 まず、東京での返還要求全国大会で岸田文雄首相があいさつする様子を会場の画面に中継。岸田首相は冒頭、根室市で返還運動を長年主導した千島歯舞諸島居住者連盟根室支部長の宮谷内亮一さんが5日に79歳で急逝したことに対し、「心から哀悼の意を表させていただきます」と述べた。

 さらに「コロナ禍による北方四島との交流事業の2年続けての中止は極めて残念。皆さんの古里への切実な気持ちに思いを致すと、早期に再開しなければならない」と強調した。

 住民大会では、歯舞群島・多楽島の元島民で、8人きょうだいのうち4人の墓が島に残る武隈聡さん(78)=根室市=が「元島民の平均年齢は86歳を超えた。政府は、実質的な成果の見える交渉を進めて欲しい」と訴えた。最後に元島民2世らが壇上から「島を返せ」とシュプレヒコールをあげた。

 札幌市中央区札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)では、鈴木直道知事らが「北方領土の一日も早い返還は全ての国民の願いです」と書かれた横断幕を掲げるなどして、啓発活動をした。知事は「道民の世論が交渉を後押しする」と述べ、コロナ禍で署名活動を続ける工夫を探る考えを示した。(大野正美、松尾一郎

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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