犬ぞり北極探検家の山崎哲秀さん(56)が11月末、グリーンランドで消息を絶った。探検家として活動する傍ら、20年以上にわたって日本の極地観測を支え、研究者らは「かけがえのない存在」と心を痛める。「北極圏に日本の観測拠点をつくりたい」。その志を継ごうと、家族や友人らが協力を呼びかけている。
頼りにされた「犬ぞり案内人」
北緯78度。山崎さんは毎冬、「地球最北の村」と呼ばれるグリーンランド北西のシオラパルクで暮らした。約4カ月間は太陽が昇らない極夜。零下30度前後、強烈な風が肌を突き刺す。
そんななか犬ぞりで各地をまわり、海氷や気象の試料やデータを集めて研究者に提供した。日本から研究者が訪れる夏は、危険が潜む氷河や海氷の上で安全に観測できるよう手助けし、いつしか「犬ぞり案内人」と称されるようになった。
「犬ぞり案内人」山崎哲秀さんがグリーンランドで消息を絶った。極地の観測を支え続け、北極観測の拠点を作るという志半ば、惜しむ声が続く=中山由美撮影
この冬も、11月半ばに日本を発って村へ。自動気象計をメンテナンスし、海氷調査の準備を始めた。28日はブログに「まだ暖かいけど、そろそろ海氷が定着してくれますように」と記した。
途切れた足跡、セイウチの呼吸穴
29日午前、「海氷の下り口…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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