北洋銀、70歳以上の一部ATM引き出し20万円以下に 詐欺対策で

日浦統

 北洋銀行札幌市)は、特殊詐欺の被害を防止するため、道内に約860あるATMで、70歳以上の一部顧客の利用制限を始めた。キャッシュカードで1日に引き出せる現金を20万円以下にした。北海道警の指導を受けたもので、1月のシステム共同化を機に始めた。15日は初の年金支給日となるため、混乱しないよう注意を呼びかけている。

 引き出し額が制限されるのは過去1年間、ATMで一度に20万円を引き出していない顧客。制限の解除は窓口で受け付けており、カードと健康保険証などの本人確認書類が必要となる。

 同行はすでに被害防止のため、過去3年間、カードを使ったATMでの振り込み実績がない70歳以上の顧客の現金振り込みを停止している。しかし、最近の特殊詐欺は口座への振り込みでなく、現金を引き出させる被害が増えていることから、利用制限の網を広げた。現在、現金の引き出し限度額はキャッシュカードの種類によって1日50万~100万円に設定されている。

 道内の金融機関では、北海道銀行(札幌市)が、過去1年間、カードを使ったATMでの振り込み実績がない70歳以上の顧客の現金振り込みを停止しており、現金の引き出しは1日100万円を上限としている。

 道警によれば、2022年の特殊詐欺事件の認知件数は308件、被害金額は12億3970万円となり、ともに前年の2倍を超えている(暫定値)。(日浦統)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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