新型コロナウイルスの感染が急拡大している北海道の鈴木直道知事と札幌市の秋元克広市長が3日午後に緊急会談し、コロナ対応の特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」を札幌市に適用するよう国に要請することで一致した。5日にも要請する。
会談後に記者団の取材に応じた鈴木知事は、「今切れる最高のカードが『まん延防止等重点措置』だと思っているので、しっかり要請をしていく」と述べた。
一方、「重点措置を要請しても直ちに追加にはならない。適用を待たずに強い措置を講じていかなければならない」とし、札幌市で一段の対策を行う方針も表明。現在市内の飲食店に求めている午後9時までの営業時間短縮要請について、「午後8時まで」と一段の時短を求める。企業には出勤者の7割削減を要請する。これらの要請は準備ができ次第、速やかに実施する。
道内では2日の新規感染者数が過去最多となる326人に達した。特に最大都市・札幌市では変異ウイルスの感染拡大が著しく、同市での2日の新規感染者数は初めて200人を超え、過去最多の246人となった。
札幌市では病床使用率が実質的に9割を超え、医療提供体制が危機的状況となっている。かねて重点措置の適用の必要性に言及していた秋元市長は、3日の会談で鈴木知事に対し、改めて政府への適用要請を求めた。会談後、鈴木知事は報道陣に「感染抑制の力以上に新規感染者の伸びが上回っている。これを下方に転じさせることが重要だ」と述べた。
道と札幌市は感染急増を受け、4月24日から「ゴールデンウィーク特別対策」(5月11日まで)を実施。同市で外出と往来自粛、飲食店の時短、学校の部活原則休止、市内の公的施設の休館などの対応を取っているが、感染拡大に歯止めがかかっていない。
また、北海道内では3日、新型コロナウイルスの感染者が新たに114人確認された。過去最多だった2日の326人を大きく下回った。ただ4月20日以降、2週間にわたって100人を超す高水準が続いている。新たな死者は4人。
最大都市・札幌では88人の感染が確認され、4人が死亡した。前日の過去最多の246人を大きく下回った。
札幌以外の保健所設置市(旭川、函館、小樽)の公表分は旭川市3人、函館市1人、小樽市1人。道庁公表分は21人。
札幌市では2件のクラスター(感染者集団)が発生。コンサルタント会社(名称非公表)で従業員計7人が感染したほか、医療機関で計24人(患者17人、職員7人)が感染した。この医療機関(同)では外来診療と新規の入退院を中止している。(中野龍三)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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