新谷千布美 松田昌也
北海道白老町で2013年、乗客13人が重軽傷を負った小型バスの横転事故を巡り、刑事裁判で無罪になった運転手の男性(64)が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が7日、札幌高裁であった。佐久間健吉裁判長は、必要な捜査をせずに起訴したとして国に賠償を命じた一審判決を取り消し、請求を棄却した。男性側は即日上告した。
昨年1月の一審・札幌地裁判決は、十分な証拠が集められておらず、専門家の意見を聞くなど必要な捜査をせずに起訴したと判断。二審判決は、さらなる専門家への意見聴取などは「通常要求される捜査とは言えない」とし、起訴には違法性はないと結論づけた。
男性の代理人の吉田康紀弁護士は「これでは間違った起訴が今後も繰り返される」と批判した。一方、札幌地検の石井壮治次席検事は「適切、妥当な判決と考えている」とコメントした。
事故を巡っては、札幌地裁室蘭支部が19年、バスの部品破損が事故につながった可能性があるとして男性に無罪を言い渡し、その後に確定した。(新谷千布美、松田昌也)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment