今冬の北海道内は、日本海側で大雪に見舞われている地域がある一方、太平洋側では積雪が非常に少ない。帯広では6日現在で積雪ゼロが続き、気象庁帯広測候所によると、統計を取り始めてから積雪が最も遅かった1983年冬(12月23日)以来だ。釧路では昨年12月30日に積雪1センチとなったが、これまで最も遅かった2007年(12月29日)より後となった。
測候所によると今年は「西高東低」の冬型の気圧配置が強く、十勝地方など太平洋側は、北西からの雪雲が日高山脈や大雪山系の山々で遮られ、晴れる日が多かった。帯広では昨年11月4日に初雪を観測したが、1センチ以上のまとまった雪は降っていない。
昨年12月の道内の降水量日本海側が平年比で107%、太平洋側は24%。帯広は0ミリ、釧路は0・5ミリで、1892年と1910年にそれぞれ統計を取り始めてから最も少ない。
同測候所などでは昨年2月に観測が目視から自動化されており、同測候所では「冬型の気圧配置が継続している影響もあるが、これまでは目視で路上の半分が雪で覆われたら積雪としていたが、自動化により1センチ以上の雪を観測したら積雪とするように基準が変わったこともり、単純比較はできない」と述べている。
積雪ゼロにより、十勝地方では秋まき小麦や牧草、土の中で越冬させる一部のナガイモへの凍害が懸念されている。農協関係者は「土壌の凍結でナガイモが心配だが、掘ってみないと分からない面もある。早く雪が降ってくれるのが一番いい」という。
予報では、7日は北海道付近を低気圧が通過する影響で、帯広でも積雪が予想されている。(中沢滋人)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル