井上潜
北海道東川町で強風が発生し、電柱や建物が倒壊するなどした被害を受け、旭川地方気象台は5日、現地調査を行った。気象台によると、積乱雲から吹き下ろす下降気流によるダウンバーストか、積乱雲の下の冷たい空気が流れ出すガストフロントが発生した可能性があるという。風速は推定約40メートル。竜巻については「発生を示唆する情報が得られなかった」という。
東川町では4日午後1時過ぎ、町中心部から隣の旭川市に近い地域にかけて強い突風が吹き、電柱8本が倒壊。住民が割れた窓ガラスで負傷した。電柱が倒れた場所から約4キロ離れた場所でも、建物が飛ばされたり屋根がはがれたりした。
気象庁によると、ダウンバーストは、積乱雲から吹き下ろす下降気流が地表にぶつかることによって発生し、ガストフロントは、積乱雲の下にたまった冷たい空気の塊が、暖かい空気の側に流れ出すことによって起きる。旭川地方気象台は「突風の発生時に活発な積乱雲が付近を通過中だった。突風の発生は比較的短時間だった」としている。
強風で飛ばされた建物を所有する男性(70)によると、建物は使わなくなった木造の作業小屋で、隣接する納屋2棟の屋根もはがれた。近くの住居にいたところ、「ゴーッというすごい風の音がして、窓の外を見るとしけが出たように真っ白だった」。飛ばされた建物の一部と思われる板材が宙を舞っていたといい、「家を直撃していたらと思うとぞっとする」と話した。(井上潜)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル