北海道電力敗訴、弁護士の視点「10年たっても安全性を立証できず」

 北海道電力が再稼働を目指す泊(とまり)原発(北海道泊村)の運転差し止めなどを道内外の約1200人が求めた訴訟で、札幌地裁(谷口哲也裁判長)は31日、「現在ある防潮堤は津波に対する安全性の基準を満たしていない」として、北電に運転差し止めを命じる判決を言い渡した。原発訴訟に詳しい元立命館法科大学院教授の斎藤浩弁護士に聞いた。

 ――判決をどう見るか

 「ほかの原発訴訟判決と比べて、極めて単純明快だ。津波対策に論点を絞って原告らの人格権侵害のおそれを認め、そのほかの争点は『検討するまでもない』とした。民事訴訟では一般的なロジックだが、これまでの原発訴訟は全ての論点を細かく検討していた」

 ――原発を動かすことの可否に関する判断は社会的影響が大きく、他の訴訟では裁判官が慎重に判断したのだと思われる。なぜ、今回は論点を一つに絞れたのか

 「津波対策について、あまり…

この記事は有料会員記事です。残り494文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment