医療事務めぐる談合を認定 ニチイ学館に課徴金1億2千万円 公取委

 中部地方の国公立病院が発注する医療事務の入札を巡って談合を繰り返していたとして、公正取引委員会は17日、業界大手「ニチイ学館」(東京)など2社の独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定したと発表した。ニチイ学館には再発防止を求める排除措置命令を出し、課徴金1億2134万円の納付を命じた。

 「ソラスト」(東京)も談合に関与していたが、公取委の調査前に課徴金減免制度(リーニエンシー)で談合を自主申告しており、処分を免れた。

 公取委によると、2社は愛知や岐阜に所在する国立病院や大学病院などの計20病院が2015年3月~19年1月に発注した受付や診療報酬請求などの医療事務業務の入札で事前に価格調整などをして受注業者を決めていた。この間の入札50件のうち40件で談合があり、受注価格は計約87億円にのぼった。病院側が発注する医療事務の支払代金には公金が含まれており、談合によって価格が高止まりすると公金の無駄遣いになる。

 関係者によると、2社とは別の1社(東京)も公取委の立ち入り検査を受けたが、調査の結果、違反はなかったと認定された。

 ニチイ学館は「この度の命令を真摯(しんし)に受け止め、再発防止と信頼回復に努めます」。ソラストは「二度とこのような事態を起こさないように再発防止策に全社をあげて取り組みます」とコメントした。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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