春待ち月
堺市立総合医療センターの産婦人科病棟で12月中旬、看護局長・谷口孝江さん(59)が看護師長に「最近どう? 困っていることはない?」と声をかけた。その横では、3人の看護師が患者の状態をモニターでチェックしていた。谷口さんは新型コロナウイルス禍の2年近く、看護師の不安や不満の声を聞き続けてきた。約700人の看護師らが働きやすい職場環境をつくることが、大事な仕事だ。
患者からの感謝の言葉が、看護を続ける上での大きなエネルギーになっている。谷口さんは大学卒業後に市立堺病院(当時)に就職し、最初は助産師として配属。ある日、仮死状態で生まれた赤ちゃんをとりあげた。「妊娠中の健康管理が悪かったのか。呼吸法が良くなかったのでは」と落ち込んでいた母親に、「あなたのせいではありません」と声をかけた。幸い、赤ちゃんは蘇生して元気に退院。母親は谷口さんの言葉が励みになったと感謝してくれた。
その後も内科などに異動し…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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