新しい感染症の流行が起きた時、医療者のやる気を下げないためには、政府や自治体、病院からの「理解」が大事――。2009年に新型インフルエンザが大流行した際の、医療者の本音をまとめた研究がある。研究をまとめた精神科医の今井必生・大橋クリニック院長は、現在の医師の取り巻く環境は、医療者のやる気を下げかねないと警告する。
研究では、09年6~7月、神戸市内の3病院に勤める医師や看護師、技師ら約3600人を対象にアンケートを実施。約1700人から回答を得た。今井さんは当時、神戸市立医療センター中央市民病院に勤めており、調査は世界保健機関(WHO)が新型インフルの世界的大流行(パンデミック)を宣言した直後だった。
回答した医療者の28・4%は仕事への強い意欲があったが、14・7%は消極的だった。消極的になる要因には、感染への恐れや、周囲からの孤立、感染した場合の補償への不安などが関係していた。
一方で防護服の配布や周囲から…
980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル