逝ってしまった人が、悲しむ生者に語りかける――名曲「千の風になって」は、北海道七飯町の静かな森の中で誕生した。この歌ゆかりの手紙コンクールが、ほぼ3年ごとに開かれている。ネットやSNSがはやる世になっても、自分だけの文字と文章で、手紙に託す。そんな人たちの思いとは。
コンクール 全国・海外から665通
「千の風になって」は、七飯町に住む作家新井満さん(74)が訳詞・作曲した。大勢のアーティストによって歌われているが、中でも、テノール歌手秋川雅史さん(52)ののびやかな歌声でブレークし、広く知れわたることになった。
町内の大沼国定公園にある大沼湖畔に2008年、おもむきの変わった千の風モニュメントが設置された。直径3メートルほどの円盤の上に、町特産の安山岩がモザイク状に敷き詰められ、真ん中にはめ込まれた黒御影石には「名曲誕生の地」と刻まれている。
亡き大切な人に思いを伝える「千の風になったあなたへ贈る手紙」コンクールは09年に始まった。朝日新聞社が募集した初回のあとは、秋川さんの出身地、愛媛県西条市と市民団体が主催を引き継いでいる。
西条市によると、昨夏に募集した第4回コンクールには全国と海外から計665通の手紙が寄せられた。受賞10作品が決まり、今年3月に同市役所で表彰式と大賞作の朗読紹介があった。
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早世した夫へ 「あなたが逝ってから…」
奨励賞の増田篤子さん(68)=北海道富良野市=は、道内からただひとりの入賞。「ありがとう~あの日から三十二年夏の雲」のタイトルで、早世した夫に宛てた。
小学生の娘2人を抱えてひとり…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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