千代田区議ら官製談合容疑で逮捕 元区部長は「副区長の依頼」と証言

 東京都千代田区発注工事の入札情報を業者に漏らしたとして、警視庁は24日、千代田区議の嶋崎秀彦(64)=同区=、同区の元行政管理担当部長で無職の吉村以津己(いづみ)(61)=静岡県熱海市=の両容疑者を官製談合防止法違反容疑で逮捕し、発表した。2人の認否は明らかにしていない。警視庁は区役所を24日、同容疑で家宅捜索した。

 捜査2課によると、2人は別の区職員と共謀し、2020年5月の区立お茶の水小学校・幼稚園の空調設備と給排水衛生設備の工事の一般競争入札で、業者側からの依頼を受けて20年4月、最低制限価格に近い数字や参加業者数を浜松市と千代田区の計2業者側に伝え、入札の公正を害した疑いがある。

 同課は、嶋崎容疑者の意向を受けて吉村容疑者が担当職員から聞き出し、嶋崎容疑者が業者側に漏らしたとみている。2業者は公契約関係競売入札妨害罪の公訴時効(3年)が成立している。2業者は「担当者が不在」などと取材に応じていない。

逮捕前、取材に応じた元部長 「逆らえる存在ではなく」

 吉村容疑者は昨年5月以降、朝日新聞の取材に複数回応じ、当時の副区長から「嶋崎議員から契約の関係でお願いがあったら答えてくれ」と言われ、その後、入札に関する非公表情報を嶋崎容疑者に伝えたと証言。「嶋崎さんは自民党区議のドン。逆らえる存在ではなかった」とも話した。

 当時の副区長は取材に「お答えする立場にない」と話した。同課も同様の情報を把握している。

 空調設備工事は、浜松市の業者を含む共同企業体(JV)が約6億8千万円で落札。給排水衛生設備工事は、千代田区の業者を含むJVのみ入札に参加し、約6億6千万円で落札した。

当選6回のベテラン 「自民党議員団」に所属

 千代田区の23年度の一般会計当初予算は総額750億4300万円。区内では秋葉原地区など複数の再開発計画がある。嶋崎容疑者は当選6回で「自由民主党議員団」に所属。今年1月には、環境まちづくり委員長を「一身上の都合」で辞任。逮捕された24日付で区議を辞職した。

 吉村容疑者は18年4月~20年3月に行政管理担当部長、20年4月~21年3月に区議会事務局長を務めて退職していた。(福冨旅史、三井新)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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