ひきこもりの人や家族を支援しようと、高知県が相談窓口を記載したリーフレットやポスター、動画を新たに作った。ひきこもり経験があるお笑い芸人の千原ジュニアさん(47)が協力した。
京都府出身の千原さんは、中学生の時にひきこもりになった。学校に行く気にならず、自室に鍵をかけてテレビを見たり絵を描いたりして過ごした。親に悪いと思いながらどうしていいか分からなかったという。4歳上の兄・せいじさんからお笑いの世界に誘われたのを契機に、その状況を脱した。体験を元にした自伝的小説「14歳」が2007年に刊行された。
千原さんへの協力要請は発信力を高める狙い。県内各市町村の相談窓口や千原さんのメッセージを掲載したリーフレットを3万部、ポスターを5千枚作製した。「自分のペースで少しずつ歩いていけばいい」と千原さんが語りかけるメッセージ動画も県のホームページで公開されている。(清野貴幸)
千原ジュニアさんは10月中旬、リーフレットなどの完成披露で県に招かれ、浜田省司知事と懇談した。その際のやりとりや報道陣への受け答えを元に、ひきこもり体験や今の思いなどをまとめた。
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中学2年ぐらいからひきこもりになりました。中高一貫の進学校でなじめず、ほぼ学校に行かなくなりました。当時は不登校や登校拒否と呼ばれていて。両親にはつらい思いをさせましたけど、全国の登校拒否の子を預かる学校のパンフレットが居間に積んであると、「そういうことちゃうねん」と思ってました。
ひきこもりの人にはこうすればいいという答えがなく、十人十色で違います。当時、テレビで教育者みたいな人があれこれコメントしてましたが、僕には何一つ当てはまらなかった。だから僕も、経験を踏まえて「周りの人はこうしてほしい」などと軽はずみなことは言えないです。
当時の自分は誰かに分かってほしいなんて思っていなかった。理解しようとする親のこともしんどかった。そんな時にせいじから偶然電話が来て。相方がいなくて、家に弟がおるなと思い出しただけで、僕を救おうとかさらさら思ってなかったと思います。でも僕は家を出るきっかけさえあれば何でも良かった。
それぞれのタイミングがあり、焦る必要はないけど、ひきこもっている人たちは「出て行きたい」「このままではあかんねや」と思い続けてほしい。1冊の本、1本の映画、1枚の絵、何がきっかけになるか分からんです。
自分が動くことで、1人でも「扉を開ける」というきっかけになればと思い、高知県のオファーを引き受けました。ひきこもられている側の親たちが相談できる環境があるというのは、すばらしいです。
高知県は昨年6、7月、ひき…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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