北方領土返還運動の原点の地、北海道根室市で返還運動のリーダー的存在だった宮谷内亮一(みやうち・りょういち)さんが5日午後5時4分、急性心不全のため、根室市内の病院で亡くなった。79歳だった。宮谷内さんは、北方四島の元島民らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)の根室支部長を長年務めてきた。
通夜は8日午後7時、葬儀は9日午前11時半から、根室市昭和町2丁目のねむろ市民斎場で行われる。喪主は妻、のり子さん。
宮谷内さんは、国後島北部の太平洋側にあるオダイバケに生まれた。終戦後の2歳の時、旧ソ連軍が島へ侵攻。1945年12月に家族9人で船で根室市に脱出した。
生活苦から一家は翌年、漁業開拓団に参加して奥尻島に移住。52年に根室市に戻り、宮谷内さんは61年に同市職員に。ソ連崩壊直前の90年から4年間にわたり総務課長を務め、ビザなし交流の開始など北方領土をめぐる状況が激変するなか、領土問題対策のとりまとめに当たった。
2003年に退職後は千島連…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル