台風21号に伴う記録的な大雨に見舞われた千葉県で、県の指定した浸水想定区域の外にまで洪水が広がり、死者や公共施設の冠水が相次いでいたことがわかった。国が義務づけた最大雨量を想定した区域指定を県が終えておらず、浸水想定範囲が従来のままだったことが、被害拡大につながった可能性もある。
長柄(ながら)町では25日、一宮川の氾濫(はんらん)により県道などが冠水。車に乗っていた計2人が死亡した。一宮川の支流の豊田川も氾濫し、災害対応拠点の茂原市役所本庁舎が浸水した。いずれも、県が2008年に公表した一宮川水系の浸水想定区域から外れた地区で、長柄町や茂原市が公表した洪水ハザードマップでも、住民に注意が呼びかけられていない地区だった。
都道府県の指定する浸水想定区域は、市町村が住民の避難場所を設置したり避難経路を作ったりする上で、基礎的な資料になる。大阪市や徳島県で浸水被害が相次いだことから、国は15年、水防法を改正し、区域指定の際の雨量想定を「数十年に1度」から「千年に1度」の規模に拡大するよう義務づけた。20年度末までの見直しが求められている。
千葉県は過去に水害があったか…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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