千葉県は28日、台風21号の影響による記録的な大雨で新たに1人が行方不明になっていると発表した。福島県と合わせ、死者10人、行方不明者3人になった。
千葉県によると、鹿島川の氾濫(はんらん)で冠水した佐倉市の田んぼで27日、浦安市に住む80代男性の乗用車が水没しているのが見つかった。男性の行方がわかっていないという。
一方、大雨の際、千葉県が管理する9河川10カ所の観測地点で、水位を測れなかったことがわかった。計器の不良などが原因という。このうち氾濫した鹿島川の観測地点は8月の落雷が原因とみられる不具合で、測れなくなっていた。修理が間に合わなかったという。鹿島川が流れる佐倉市では広範囲で住宅や田んぼが冠水した。
千葉県の午後4時発表の被害まとめでは、住宅の全半壊、一部損壊は32棟、床上・床下浸水は1496棟になった。(上田雅文)
台風15号で倒壊、ゴルフ練習場の鉄柱撤去始まる
千葉県市原市のゴルフ練習場で28日、台風15号の強風で9月9日未明に倒壊した鉄柱の撤去作業が始まった。住民が見守る中、約30人の作業員が重機などで、長さ十数メートルの鉄柱を切断して練習場内に移動させていった。倒れた13本すべてが撤去されるのは12月中旬の見通しだ。
この日撤去されたのは、車に倒れ込むなどした3本。練習場の経営者や約10人の住民が安全祈願をした後、これ以上倒れないようにクレーンでつり上げ、作業員が火花が出ない工具で切断していった。解体業者によると、倒れた中では、比較的作業がしやすい鉄柱。今後、住宅に倒れ込んだ鉄柱の作業にとりかかる予定で、より慎重さが必要になるという。
自宅の屋根に鉄柱が倒れ込んだ松山高宏さん(55)は「今日が待ち遠しかった。補償問題は解決に時間がかかると思うが、まずは工事が始まったことがうれしい」と話した。
撤去をめぐっては、倒壊からこれまで、解体業者の主催で2度の住民説明会が行われ、全27世帯から同意書が提出された。ただ、練習場側は「自然災害なので家屋被害の補償はしない」という立場を変えていない。(福冨旅史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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