千葉県内の大規模停電では、復旧時に電気製品やブレーカー周辺などから出火する「通電火災」が相次いでいるが、実は今回のような風水害での発生は「特異なケース」(消防関係者)とされる。
通電火災は、地震などで停止した電力の復旧時に頻発する。例えば、倒れた電気ストーブやアイロンが洗濯物などの可燃物に触れたまま通電した場合などに出火。阪神大震災では原因が判明した神戸市での建物火災55件のうち、6割の33件が通電火災だったという。
しかし、今回は少し状況が違う。東京電力によると、危険性が高いのは、台風の風雨で水にぬれた家電の使用だ。水没などで故障状態になった家電を通電させると、ショートや異常な発熱で火災や事故につながる恐れがある。家電が故障していない場合でも、コンセントなどの周囲がぬれていないかを確認しておく必要がある。
東電は、停電状態で自宅を離れる際にはブレーカーを落とし、復旧前に全ての家電のコンセントを抜いておくことが重要だと指摘。家屋の屋根裏や壁の内側にある電気配線に損傷があれば、ブレーカーの漏電遮断器が作動するため、電気工事店などに連絡してほしいとしている。消防関係者は「一度でも水にぬれた家電製品は使用しないでほしい」と注意を呼び掛ける。
今回の台風が原因で通電火災が発生した場合、火災保険で補償される見通し。三井住友海上火災保険の担当者は「ほとんどの火災保険が、風雨による通電火災を偶発事故と判断して保険金支払いの対象としている」と説明する。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース