南三陸のさけます増殖協会で不適切会計 漁協職員が「遺書」残し死亡

山浦正敬

 宮城県南三陸町の志津川湾水系さけます増殖協会(会長・行場博文・県漁協志津川支所運営委員長)で、不適切な会計処理があったことが19日、わかった。協会や町などが調べたところ、通帳に出金記録があるのに、対応する支払伝票がないものがあるなど、不適切な会計処理の額は、約1200万円に上る可能性があるという。

 協会や町などによると、会計を担当していた地元漁協の30代の男性職員が7月下旬、不正を告白するメールを協会に送信し、翌日に死亡した状態で見つかった。「遺書」と書かれた封書には、「横領した」「私的に使った」などと書かれており、協会が調査したところ、不適切な会計処理が発覚したという。

 委託先の地元漁協の職員は2人で、死亡した男性職員は2016年度から会計事務を担っていた。22年度(22年8月~23年7月)の協会の事業費は約650万円で、不適切な会計処理は複数年にわたる可能性があるとみられる。

 協会は、県漁協支部や地元漁協、漁業者、町などで構成。毎秋に総会を開き、年度ごとに決算を承認しているが、監査では複数ある通帳の残高を直接確認していなかったため、不適切な会計が発覚しなかった可能性があるという。

 協会と町は今後、詳しい調査を進めるとともに再発防止策を検討する。(山浦正敬)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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