南極に別れの夏がやってきた=中山由美撮影
観測隊の越冬隊は南極で2回、年を越す。寒さに震えた夏も2回目は薄着、ウェアは汚れも目立つ。装備は年季が入っても、まだやり足りないことばかり。大陸沿岸に出かけたり昭和基地に戻ったり、飛び回る。
2021年1月9~10日はルンドボークスヘッタへ。泊まりがけの野外観測取材は最後だ。空と氷、水、岩、ただそれだけで、なぜこんなにも心動かされるのだろう。太陽の光を浴びてすべてが輝きを放つ。「帰りたくない」と思わずつぶやいてしまう。
基地では62次隊への引き継ぎが続く。15日は年に1度の計画停電だ。各施設の電気を順番に遮断、発電機を止めて、停電時でないとできない工事をする。観測や生活を支える発電機は基地の「心臓」だ。24時間響いていたエンジン音が消えると、静寂の中に緊張感が漂う。
「ホワイトメール」最終回に寄せて
南極暮らしは楽しいことばかりじゃない。辛いこともある。なのにまた行きたくなる。「忘れ物」を取りに戻りたくなる気持ちだ。
18日午前0時、真鍋仁志さ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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