世界気象機関(World Meteorological Organization、以下「WMO」)は7日、南極大陸で記録的な高温が観測された可能性があると発表しました。
2月6日に18.3℃を観測
発表された声明によると、記録的な高温が観測されたのは南極半島の先端に位置するアルゼンチンのエスペランサ観測基地で2月6日に18.3℃を観測したとSMN Argentina(アルゼンチンの気象庁に該当)のTwitterが報じています。以前の最高気温の記録は2015年3月24日に観測された17.5℃です。
フェーン現象で高温となったか
WMO(世界気象機関)は観測データは十分に説得力があるとし、さらに情報の精査が必要ではあるが、今回の高温は「フェーン現象」と関連していると考えられる、とコメントしています。
記録的な高温が観測された6日は、アルゼンチンの周辺には高気圧があり、上空には暖かい空気が流れ込んでいました。高気圧の縁を回ってエスペランサ観測基地付近では南西からの風が吹いたと考えられます。
エスペランサ観測基地がある南極半島の中心は高い山になっているので、その山を越えて暖かい空気が流れ込み、フェーン現象によって気温が上昇し、記録的高温を観測したと推察されます。
フェーン現象とは
フェーン現象とは、気流が山を越える際に、湿度が低下して乾燥した高温の空気となり、山の反対側のふもとで乾燥した高温をもたらす現象のことです。
湿った空気が山を上昇する時の気温の低下が0.6℃/100m程度に対して、山を越えて下降する際の気温の上昇は1.0℃/100m程度になります。風下側の気温の上昇ペースが風上よりも高いため、風下側の気温が風上側より圧倒的に高くなります。
ウェザーニュース
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