南海電鉄の依頼を受けて調査に入った第三者機関の鉄道総合技術研究所。調べるのは「ラピート」の亀裂の原因です。
問題の発端は先月23日、走行中の「ラピート」で車掌が異常な音を確認。そのまま約240キロを走行し、その後の緊急点検で台車に約14センチの亀裂が見つかりました。
【南海電鉄会見】(8月30日)
「この度は大変申し訳ございませんでした」
「ラピート」では台車に重さ710キロのモーターが固定されていて、モーター裏側の溶接された部分で約14センチの亀裂が見つかりました。
【国土交通省官足立雅和鉄道事故調査】(8月27日)
「最悪の最悪は亀裂が最後破断すれば、落ちることになるので、何か落下することになるので、可能性の一つとして脱線もあり得たかもしれない」
国交省は万が一亀裂が広がれば、モーターが外れて脱線する恐れもあったとして、「重大インシデント」に認定し、立ち入り調査を実施。
その調査から3日後、2時間以上に及ぶ南海電鉄の会見で浮かび上がったのは、国交省との認識の「ズレ」でした。
【南海電鉄 吉田実車両部長】(8月30日)
「傷はあまり開いていない、線のような形になってますので、破断というにはかなり程遠い。弊社としては脱線の恐れはないと考えている」
南海電鉄は「亀裂があった溶接部分は合計で143センチあり、その70%まで亀裂が入らなければ、モーターの脱落などの危険性はなく、ただちに安全に支障がある状態ではなかった」と説明しました。
重大インシデント認定を受け、南海電鉄はラピートすべての車両で緊急に詳細な点検を行い、その結果、他の車両の台車でも新たな亀裂が見つかったと今月1日に発表。
これで、おととし以降、ラピートでは7つの台車であわせて9ヵ所の亀裂が見つかり、亀裂の疑いのある傷も1ヵ所見つかっています。
【南海電鉄 吉田実車両部長】(8月30日)
「将来的に台車枠の交換を考えています」
南海電鉄はモーターがついた台車をすべて交換する方針ですが、その時期については、今後検討するとしています。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース