南海トラフ地震の想定震源域で、時間差で起きる後発地震への注意や警戒などを呼びかける「臨時情報」について、内閣府が対象地域の住民の認知度を調べたところ、3割弱にとどまっていることが分かった。
最大32万人の死者・行方不明者が想定される南海トラフ地震では、主にマグニチュード(M)7以上の地震が起きた際、隣接する想定震源域で次の地震が起きる想定がある。この後発地震について知らせるのが臨時情報だ。「注意」であればすぐ避難できるよう準備しておけば良いが、「警戒」だと沿岸住民は1週間の事前避難が必要だ。2017年から運用が始まった。まだ出されたことはない。
内閣府が25日に公表した地震防災に関するウェブ調査(全国3万人余りが回答)で臨時情報の認知度も明らかになった。
「事前避難する」の回答も一部どまり
南海トラフ地震で著しい被害の恐れがある「対策推進地域」の住民1万6171人に尋ねたところ、臨時情報を「知っている」は28・7%で、「詳しく知らない」(35・5%)、「知らない」(35・8%)だった。
後発地震に備えて事前に1週間避難すべき「事前避難対象地域」に自宅が入っているかを聞いたところ、「分からない」が54・6%と半数を超えた。さらに、「入っている」と答えた1309人(8・1%)でも、事前避難が必要な「警戒」が出た場合に「事前避難する」と答えたのは35・0%だった。
このほか、この10年間での減災対策では、公立学校の耐震化率(目標値100%)は99・8%、災害拠点病院の耐震化率(同95%)は94・6%だった一方、「家具の固定率」(同65%)は35・9%、津波避難訓練を毎年実施する市町村の割合(同100%)は52%だった。(大山稜)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル