京都市が委託した新型コロナウイルス関連のコールセンター業務をめぐり、広告大手・博報堂の傘下の日本トータルテレマーケティング(東京都)は10日、約7億9千万円を過大請求していたと発表した。幹部社員が隠蔽(いんぺい)のために虚偽の資料を作っていた。同社は全額を市に返還するが、門川大作市長は「刑事告訴する方針だ」とコメントした。
同社は2021年2月から、コロナワクチン接種の予約受け付けなどの業務を請け負った。市と同社の契約ではスタッフの人件費について、勤務の実績時間に基づき請求すべきだったが、予定時間数に基づいて過大に請求していたという。業務を担当していた事業本部の副本部長が契約内容を正確に把握せずに部下に指示していた。
副本部長は昨年9月分の不正発覚後、同8月以前の分は隠蔽しようと虚偽の資料を作成。その資料は同社によって市に提出された。
同社は今年2月、「昨年9月分に過大請求があった」として委託料約4千万円を返還。市の調査で他の過大請求もわかり、弁護士3人による外部調査委員会が調査していた。森真吾社長は記者会見で「命と健康を守る公共事業に対して重大な事態を生じさせ、深くおわび申し上げる」と謝罪した。同社は京都市を含む24自治体でコロナワクチン関連の業務を受託。ほかにも過大請求がないか調べ、同社が設置した外部調査委員会が年内をめどに最終報告をまとめるという。(八百板一平)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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