博多港、クルーズ船拒否の独自ルール 福岡市が運用

 クルーズ船の寄港回数が全国2位の博多港を管理する福岡市が、新型コロナウイルスの有効な治療法が確立されるまでの間、寄港を拒否できる独自ルールを運用していることがわかった。水際対策を国任せにせず、自治体が強化し、市民の不安を払拭(ふっしょく)する狙いがある。

 高島宗一郎市長が18日の記者会見で明らかにした。2月、横浜港に入港・停泊したダイヤモンド・プリンセス号で新型コロナの集団感染が発生。高島氏は「国土交通省や法務省に着岸拒否をお願いしたが、感染者がいるかもしれないというレベルで拒否できないとの回答だった」と説明。「有事や危機に強制力をもつ法的準備が十分でないことが明らかになった」と述べ、独自ルールの必要性を強調した。

 市によると、出入国や検疫は国が管理するが、船をつける岸壁など博多港の施設利用の可否は、管理者である市長が判断できる。市の「博多港港湾施設管理条例」では、船などが「伝染のおそれのあるもの」を取り扱う場合、市長は施設利用を許可しないと定めている。

 この条文を具体的に運用する要領を新たに策定。国内外のクルーズ船が感染症が発生した国や地域に一定期間寄港していたり、その国や地域の旅券を持つ人を乗せていたりすれば、市長が実質的に入港を拒否できる。入港を許可する条件をワクチンの国内承認や有効な治療法の確立と明示。6月に施行されたが、今年は新型コロナの影響で2月2日を最後に寄港はなく、入港を拒否した例もないという。

 国交省によると、博多港のクル…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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