数年前から群発地震が続く石川県の能登半島。6月に最大震度6弱の揺れに見舞われた地震では、少なくとも鳥居が2基倒壊した。もしそこに人がいたら――。老朽化が進み、耐震性のチェックも受けていない鳥居は全国各地にあり、地震対策の死角ともなっている。
能登地方では2020年12月ごろから地震活動が活発化している。この1年をみても、能登を震源とする震度1以上の地震は約150回に及ぶ。それ以前からも震度5以上の強い地震が発生し、鳥居が倒壊していたことが朝日新聞の取材でわかった。
1993年に能登半島沖を震源とする震度5の地震では1基、2007年の同沖を震源とする震度6強の地震では4基、今年6月の地震でも2基の鳥居が少なくとも倒壊していた。
6月に倒壊した一つで、同県珠洲市の春日神社では、高さ約6メートルの石造りの鳥居が根元から倒れた。鳥居の上部は粉々に壊れ、参道をふさいだ。宮司によると、鳥居は過去の地震で一部が落ちたり、ひびが入ったりしたが、倒壊は初めてだったという。宮司は「どうしても石は老朽化する。耐震といっても難しいものがある」と話す。
根本に不具合「倒れるべくして倒れた」
一方、建築した時期、工法な…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル