危険区域の設定、現実とズレ 防災の制度 欠ける柔軟性

現場へ! 復興を考える②

 東日本大震災後、国や自治体は防潮堤を整備し、それでも守りきれない区域を早々に「災害危険区域」に指定した。しかし、現実にはズレが生じていった。さらに最大・最悪の津波浸水想定が新たに出され、その意味さえ揺らいでいる。

 宮城県気仙沼市の災害公営住宅1階に併設された「福祉センター」に八つの机の「島」が並べられた。上には大きな津波浸水予想図が配られた。

 5月の夜。島を囲んだのは鹿折地区の自治会長らだ。震災の津波で打ち上げられた漁船が長く残された地区だ。

 机の浸水予想図は最大の津波が満潮時に来て防潮堤が倒れるなど最悪を想定する。1年前に県が新たに示した。

 新たな浸水域は、現行の災害…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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